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- 管理栄養士の相談室
胆嚢を摘出した後の患者様から質問をいただきました。
高齢の女性ですが、一人暮らしで歩いて買い物にも行かれます。お友達とたまに出かけて美味しい物を食べるのが趣味だとか。
医師から、脂っこい物に気をつけてねと言われたけど、どのくらいなら食べていいのか気になるので知りたいと言われていました。その疑問にお答えしました。
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胆嚢摘出後の食事のポイント
- 規則正しい食事
- 良く噛んでゆっくり食べる
- 脂質やコレステロールを控える
1 規則正しい食事
毎日決まった時間に同じ量を食べるようにします。できれば、1日3回の食事をオススメしたいです。
不規則な時間の食事や、一度にたくさん食べると脂肪の吸収が追いつかないことも。
規則正しい食事時間と食べ過ぎない食事量が大事です。
2 良く噛んでゆっくり食べる
消化の悪い物は、脂肪の分解に負担をかけます。消化の良い食材や調理法を意識しましょう。
調理方法の消化の違い
揚げ物<炒め物<焼き物<蒸し物・和え物
一番消化に時間がかかるのは揚げ物です。蒸し物などの方が消化しやすくなります。
3 脂質やコレステロールを控える
脂質が体内に入ってくると、胆汁に含まれる胆汁酸が脂肪の分解や吸収を助け脂肪酸の吸収を促進します。
一度にたくさんの脂質は体にとって、一度にたくさんの胆汁を必要とするために、負担が大きくなり吸収しきれない脂肪は、下痢の原因となることもあります。
要注意食品
レバー・うなぎ・いくら生クリームのケーキ・ベーコン・バラ肉天ぷら・フライ・チャーハン・ラーメン・カレー等
脂っこい物だけじゃなく、これにも注意!
1 たんぱく質も大事
お食事の様子をお聞きすると、たんぱく質の量が問題の場合と、質が問題の場合があります。
肉・魚・大豆製品・卵など上手に選んで食べるようにしましょう。
肉:牛肉豚肉のモモ・ヒレといった赤身の部位や皮なしの鶏肉
魚:白身だけでなく青魚も含めて色々な種類を食べましょう
うなぎやイクラなどはコレステロールが多いので要注意
卵:コレステロールが多いですが、たんぱく質の質が良いので、適量を食べるようにしましょう
2 野菜も大事!
食物繊維やビタミンなどの栄養素を摂るためにも、毎食食べるようにしましょう。
葉物(菜っ葉・白菜・キャベツなど)
根菜(大根・人参など)
芋類・海草・きのこなど
実際に患者さんからよく聞かれる質問を集めてみました。
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よくある質問
この章では、実際に胆嚢を摘出後の患者さんから聞かれる物をピックアップしました。
実は、胆嚢を摘出しても胆汁は体の中で出ているのです。
胆嚢は、胆汁を溜めておくための場所であり、胆汁を作る場所ではありません。胆汁は肝臓で作られています。
そのため、胆嚢を摘出した場合は、常に肝臓から胆汁が体の中を流れている状態になります。
胆汁が出ていないわけではないので、脂質を食べてはいけないということはありません。
ただし、脂質の多い物を一度にたくさん食べると、一定の胆汁量でしか対応できないために、下痢を起こすこともあります。
胆汁は出ているけれど、一度に脂肪分の大量処理はできないと考えると良いかもしれません。
胆嚢を摘出すると、胆汁を溜めておく場所がなくなっています。そのため常に胆汁は出ている状態といえます。
そのため、一度にたくさん食べたり、脂っこい食事が続くと下痢を起こす原因にもなります。しかし、規則正しい食事量や時間を守れば、普通の食事になります。
特に、注意したいことをピックアップしてみました
- 揚げ物は食べても良いが回数を減らす
- 揚げ物を食べる時は、少量にする
- コンビニ弁当は意外に脂肪分が多いので、毎日食べるのは注意しましょう
- お総菜も毎日同じ物ばかり食べるのは要注意です
最後に
今回は、胆石のある方ではなく、胆嚢の摘出をされた方に向けてのお話でした。
基本は以前と同じ食事でもOKとも言えますが、目指したいのは健康的な食事と言えそうです。
- 規則正しい食事
- ゆっくりと良く噛んで
- 脂質やコレステロールを控える
この3点をあげましたが、ちょっとでも揚げ物を食べてはいけないということではありません。あくまでも、食べ過ぎや毎日食べるのが要注意という部分をしっかりと覚えておきたいですね。
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